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2050年エネルギー変革に向けた耐熱金属材料の信頼性評価と新材料設計

 Ni基耐熱合金の耐熱化

 航空機やガスタービン発電プラントにおける圧縮機後段のディスク・ブレードやタービンディスクには、Alloy718と呼ばれるNi基耐熱合金が使用されています。 この合金では、D022型構造を持つγ”-Ni3Nb相をNi固溶体の結晶粒内に微細析出分散させて強化を図っています。 しかし、このγ”相は準安定相であり、600ºC以上の高温で長時間保持すると、粗大な安定相(δ)へと遷移するために耐熱温度に制限があるのが現状です。 そこで当研究室では、γ”相の安定性の向上により、718型Ni基合金の耐熱性向上を目指す研究を行っています。

 現在までに、NbをTa, Vで一部置換することにより γ”相の安定性が増し(図7参照)、耐熱性が向上することを見出しました(図8参照)。 現在、基礎的な理解に加え、材料設計への応用を検討しています。

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図7 NbのTa置換によるg”相の安定性向上
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図8 クリープ速度 vs. 時間曲線